閑散記

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あんスタ小説『青春の狂想曲』&『革命児の凱歌』感想(ネタバレあり)

今更ですが、あんスタの小説の感想です。

発売に買えない人が続出して大変だったみたいですね。
わたしは予約していたので大丈夫だったのですが、読んでみたところ、メインストーリーに加筆したような感じだったので、まぁ特に変わったことはないんだろうなぁとゆっくり読んでいたんです。
でもそれが間違いでした……。
この小説、とんでもないものを隠し持っていました。
 

 

メインストーリーをより物語に

ゲーム本編のメインストーリーと同じシナリオなのですが、それに肉付けをしてより物語として描いているのが今回の小説版。挿絵もメインストーリーのままです。
初期の頃はメインストーリーを全話読めていない状態で、メインストーリーとイベントストーリーを並行して読んでいたじゃないですか。正直どっちも????って感じでよく分からなかったのはわたしだけじゃないはず……。でも今なら分かる!!分かるぞ~!!とおさらいのような感覚で読めたのでよかったです!!
 
メインスト―リーと違う点は転校生ちゃんがいることですかね。転校生ちゃんがしゃべ…りはほぼしないのですが、動いて、アイドルたちみんなに出会って、それで物語が進んでいきます。あとがきによると、この転校生ちゃんは『日日日先生の考える転校生ちゃん』であり、『透明な存在』とされています。本当にそんな感じでうま~く描かれていると思います。安心してほしい。
 
日日日先生の文章は読んだことがなかったので、最初ちょっと違和感があったのですが、表現力が素晴らしいですね!『透明な存在』の転校生ちゃんの前に次々と出現するたくさんのアイドルたち。あれだけいるのによくまとめたな~と思います!すごい!そのアイドルたちについてなのですが、形容が素晴らしいとツイッターで話題になっていました。本当にすごいんです!
 
 

形容が素晴らしい

みんなの外見について、文章で詳しく知ることが出来たのはこれが初めてだったんですよね。それがすごく新鮮で、感動したのを覚えています。
わたしは特に、朔間零と日々樹渉についての形容が好きでしたね。
 

朔間零

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 やや不健康そうながらも、町で十人とすれちがえば十人すべてが振り向くような、そのうち何人かはふらふらと近づいてしまいそうな――奇妙な吸引力のある美貌だ。血のごとき、深紅の瞳。寝癖なのかお洒落なのかわからない、ゆるく波打った闇色の長髪。

 夢ノ先学院の制服を着ているけれど、学生らしさを主張しているのはその程度――名画の中から抜けでてきたような、どこか古風な麗人である。

 

日々樹渉

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人間を狂わせる月光のような、銀色の髪。それを、独特なかたちに結いあげている。美丈夫、と表現するのが適切な体格と美貌だ。物語の、英雄のようだった。

 
素敵ですよね……さすが三奇人……。
こんな感じでひとりひとりの容姿について書かれているわけです!とても楽しいですよ!しかし、ま〜くんと友也くんについてはなんだかさらっとした反応だったのがおもしろかったです。特に友也はめっちゃ普通って言われてました。だけど友也はその普通さで渉を救えるすごい子なんだぞ!(※怪盗VS探偵団ストーリー)
 
 

書き下ろしがすごい

これです。これが、ゆっくり読んでいたことを後悔したという例のあれです。予約までしおきながら、書き下ろしがあるなんて知らなかったんです……。『革命児の凱歌』の方の一番最後にあります。
英智くん視点のお話になります。まずこの時点でやばいですよね。ゲーム、小説のどちらでも転校生ちゃん(あんず)の視点でお送りされているので英智くん視点というだけで大事件ですよ。
そして内容。fine結成前の英智くんによる、fine構想計画……のような感じです。かなりおおまかに言うとですが。英智くんが渉を倒した後、というか瞬間のような場面も描かれています。最高です。
「無様ですね」
と言う渉が最高です。
これ、負けた方が勝った方に言った言葉なんですよ?
これが女の子向けアイドルゲームのシナリオだなんて信じられますか?
あんスタは闇とよく言いますが、本当にそれ。
日日日先生、ありがとう。最高です。 
 
この書き下ろしだけでもお金を払う価値はあると思うので、ぜひ読んでもらいたいです。そんなこんなを経てfineを結成した経緯も気になりますし、渉はどんな気持ちで英智くんの側にいるのか、とんでもない何かがあるんじゃないか。今後のイベントストーリーに期待する気持ちと怖い気持ちでお腹が痛いです。
 
イベントストーリーといえば、「追憶*マリオネットの糸の先」で英智くんが最初に倒した五奇人のうちの1人が、新キャラのお師さんだということが判明しましたね。これからイベントストーリーは過去編が増えていくんでしょうか?3年生は卒業することなく、4月からは時間軸が戻り、「一方その頃」のようなストーリーをやるということですが……楽しみというかなんというか、一部では夢ノ先学院はずっとループしてるんじゃないかとか、誰かがその鍵を持ってるんじゃないかとか色々言われているので……本当にあんスタは闇なんじゃないかと思っています。好きです。日日日先生ありがとうございます。
 
小説『青春の狂想曲』&『革命児の凱歌』は、メインストーリーの途中までなので続きがあるはずです!楽しみに待ってます!