『大逆転裁判-成歩堂龍ノ介の冒險-』のダウンロードコンテンツ「ランドストマガジン」第6号の感想です。
「ショート・ショート」が、夏目漱石の部屋でのお話となっています。漱石さんが日本へ帰る前にナルホドくんスサトさん、ホームズくんアイリスちゃんで遊びに行ったようです。漱石さんは、帰国に関して、日本人はそもそもの性格上、外国でひとり楽しく暮らせるはずがないと主張しますが、スサトさんの例の本によると、一人だけ、楽しく暮らした留学生がいるとのこと……それが、かの有名な森鴎外だったそうです。
森鴎外は、ドイツに留学中、女性と懇意に出来るほど余裕のある男だったのですね。漱石さんに言わせると「 不 可 能 犯 罪 ! 」らしいです。犯罪。確かに、ガタブル漱石さんには不可能かもしれませんが、それでも漱石さんは、「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね」と訳すほどロマンチックな美学をお持ちです。しかし、それもホームズくんに「ただの引っ込み思案」と言われ、そんなことでは異国の「舞姫」をつかまえられないといじられていました。ホームズくん、なかなか言う。
言語の違いとはおもしろいもので、シェークスピアは当時の日本では漢字で「沙翁」と表記されたそうです。おじいちゃんですね。「ークスピア=翁」って本当に訳す気ないみたいですよね。これに則り、ホームズくんは「シャーロック・ホームズ=紗翁」と決定されました。シャおじいちゃんですね。本人は、もっと若いから「紗兄」がいいそうです。
ところで、漱石さんの下宿、ガリデブさんの家の前にあった自転車は、漱石さんが乗っていたものと判明しました。ボッコボコのひしゃげた自転車です。本編中のネタがここで取り上げられることが多いですね。転びまくったら、だいぶ乗れるようにはなったそうですが、「ままならぬ自転車は、そのまま人生の“あわせカガミ”のようである」という名言が飛び出すくらいには、ままならぬようです。これと似たようなことをアメリカの文学者がエッセイで言っていたそうなのですが、調べてもどの本のことなのか分かりませんでした。ナルホドくんと一緒で蚊帳の外です……。