『大逆転裁判-成歩堂龍ノ介の冒險-』のダウンロードコンテンツ「ランドストマガジン」第4号の感想です。
今回、「楽曲」の「スペシャル」が亜双義でした。とても…とても…かっこよかったです。ありがとうございました……。
そして、「ショート・ショート」は、ホームズくんの部屋での出来事です。
ナルホドくんにスサトさんに、ホームズくんにアイリスちゃん。4人で過ごす穏やかな朝、ナルホドくん宛に1通の封筒が届きます。その中には、オレンジの種が5つぶ……。これは、復讐の警告を意味しています。と言っても、実は、ホームズくんからの復讐の警告(食べ物の恨み)だったのですが、ナルホドくんはその意味が分からずに埋めてしまったそうです。さすがですね。
オレンジの種が5つぶ=復讐の警告というのは、原作の「オレンジの種五つ」というお話のネタです。ちょうどこの頃、どうやらアイリスちゃんの書いた《シャーロック・ホームズの冒険》が発売されたらしく、今回の「ショート・ショート」では、原作のお話がたくさん出てきます。スサトさん大興奮です。
ホームズくんの復讐は、特に何事もなく終わったようなのですが、お次は“いたずら坊主”の仕業で、火事だと嘘をつく心理学の実験が行われます。人は、不意をつかれると命の次に大事なものを持ち出そうとする習性があるそうなのですが、これも、「ボヘミアの醜聞」というお話のネタです。ちなみに、ナルホドくんの命の次に大事なものは、部屋のダルマでした。
続いて、またしても火事騒ぎが起きます。今度は、アイリスちゃんの“いたずら坊主”のせいだったのですが、それを信じたホームズくんは石膏のナポレオン像を破壊し、中に隠されたへそくりを取り出し逃げようとします。この石膏のナポレオン像を破壊するというのも、「六つのナポレオン」のネタです。このお話は、『シャーロック・ホームズの帰還』に収録されています。ちなみに、このお話の中に「ベッポ」という名前の人物がいるのですが、大逆転裁判にも、「ベッポ」というプルプル震えている御者がいましたね。
また、「ボスコム渓谷の惨劇」でなんだかんだあったことにも触れられています。なんだかんだです。
こんなに原作ネタを堂々と盛り込んで来られると、読みたくなってきますよね。わたしは中学生の頃に、偕成社のシリーズを、図書館で借りて読んでいました。
BBCのドラマ『SHERLOCK』にハマってからもう一度読みたくなり、「緋色の研究」だけですが、新潮社のものと光文社のものも読み比べてみました。どちらもおもしろかったですが、新潮社のものは、イメージでいうとジェレミー・ブレット版のホームズで、より昔の重みを感じたい時に読むのがいいと思いました。光文社のものは、ベネディクト・カンバ―バッチ版ホームズで、ドラマにハマっているならこちらを読むのがいいかなと思いました。
- 作者: コナンドイル,Arthur Conan Doyle,延原謙
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1953/06/01
- メディア: 文庫
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原作のことは、「正典」や「聖典」とも呼ぶそうですね。今回の「ショート・ショート」は、シャーロキアンの方には、嬉しいものだったのでは。一度も読んだことがなくて、今回興味を持った方はこの機会に読んでみるといいと思います。《シャーロックホームズの冒険》……倫敦の書店で!好評発売中ですとも!
- ホームズくんは「このいたずらぼうずの仕業なのさ!」
- ナルホドくんは「“いたずら坊主”はもう、しまっておいてくださいよ」
- アイリスちゃんは「あたしの“いたずら坊主”だってダマってないんだからね!」